コラム【ギャップを埋めるインターンシップ採用】

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ギャップを埋めるインターンシップ採用

 金口裕也(かなくちゆうや)


 

よく人事担当者から聞くのが『面接の時はよかったんだけど、入社したらさっぱりだよ、どうすればいいのか?』という質問です。また、入社した人からも『こんなはずじゃなかった。入社前に描いたイメージと違ったので、辞めようと思います』といった話です。このズレを埋めるのに有効的なのがインターンシップ採用です。当社の人材紹介がなぜインターンシップを活用し企業様に紹介しているのか理由を書いてみました。特に外国人採用をする場合には有効だと感じています。

 

働きぶりを判断する

面接では能力を見極めることが出来ますが、さすがにその会社の社風や文化が合うのかどうかは判断しかねます。業績が上がっている会社の殆どが独自の文化を持っており、書籍ビジョナリーカンパニーではカルトのような文化を備えている企業が多い事が書かれています。そんな社風に対して、この面接者が合うかどうかって面接だけの判断は神業に近いです。当社マリモも少し変わった社風を持っていると感じていますし、周囲の方からも独自の文化を持っていますねと言われます。どうすればこの社風に対してギャップを少なく感じてもらい、入社して頂くか考えた結果辿り着いたのがインターンシップ(企業体験)です。また、企業側もこれで判断すれば、実際の働きぶりが見えて雇用リスクが低減します。

 

研修風景

 

 

モデルルームで行うインターンシップ

弊社はマンション事業を主体としているため、毎年営業職を採用します。だいたい不動産営業はきつい営業スタイルが多い業界で、学生もそのイメージを持っています。当社の営業部門『おもてなし課』は創業当時から、『かゆいところに手が届くおもてなし』という、業界ではソフトな営業で、1人1人のお客様に寄り添った丁寧な営業スタイルを社風としています。しかし学生は、人事担当はそう言っているけど本当のところはどうなの?という感じで当然、説明会時には疑心暗鬼の状態です。これを解消するためにN課長が当社での営業経験を活かして始めたのがモデルルームでのインターンシップです。世の中には1DAYインターンシップという説明会の名を変えたインターンシップがありますが、これでは意味を成しません。実際の職場で職業体験、企業文化体験をすることによりその会社で働くイメージを実際にしてもらいギャップを縮小した状態で選考に入ってもらう手法を取っています。近年このインターンシップを経て入社した女性が数年で所長になったケースが発生しました。

 

モデルルームインターンシップ

 

 

外国人採用に威力を発揮するインターンシップ

外国人採用には特に有効です。正直、海外からくる人材については、本当にこの社風に合うのかどうか、仕事をするにあたり、実務遂行応力があるのかどうかを判断できます。

 

以前、インドネシアから5名のインターンシップを受け入れました。面接の段階でR君は最も高い評価を得ており、日本語力も抜群でした。いざインターンシップでオフィスに入ると、理解力が低く、求めた仕事の成果が5人中最も低く、インターンシップ終了時の面談では、今回のインターンシップを経て将来観測を聞いたところ、誰もが驚愕するようなトンチンカンな答えが返ってきました。勿論不合格です。インターンシップが無かったら、TOP当選でこの人物を雇っていたはずです。

 

外国人インターンシップ生

また従業員側もその国の文化を事前に共有する事ができます。例えばインドネシア人ムスリムではお祈りの時間があり、これをインターンシップという従業員の目線が柔らかい時期に慣らしておけば、入社時もスムーズに受け入れてくれます。多少費用が掛かっても、そぐわない人を雇用するリスクに比べれば安いもんです。

 

どうせやるならしっかりと目的を持って

インターンシップについては、労力も費用もかかります。しっかりと目的を持って臨めば、見返りも非常に大きなものになります。まとめに私が考えるインターンシップの効果的な目的を箇条書きにします。

・応募者に実際の職場と仕事を体験させることによって動機形成を図る

・文化や社風のギャップを埋め、早期退職者を激減させる

・本当にその人物が当社でパフォーマンスが出せるのか実務で判断する

この目的に沿ってインターンシップのプログラムを作成していく事が大事な事だと思います。日本人の場合最低1週間、外国人の場合は、最低2週間は必要かと思います。

 

インターンシップ生同士のミーティング

 

 

 

 

 

執筆者: 金口裕也(かなくち ゆうや)

株式会社マリモホールディングス 国際人事部 部長

 

 

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