コラム【数年後を見据えた海外進出時の責任者候補採用】

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数年後を見据えた海外進出時の責任者候補採用

 金口裕也(かなくちゆうや)


海外進出をするにあたり、現地国籍人材の採用はほぼ必須と感じます。日本人だけでは現地の商習慣がわからない事が多く、いつの間にか不利な条件でJVを組まされたり、不動産取引ではあり得ない立地をあり得ない金額で買わされた例も聞きます。コンサルタントにお願いするのも一つの方法ですが、彼らはあくまで外部の存在。取引が成功しなくても責任はありません。自分事で捉えることができる100%企業側の人間を育て、一緒に行動する事こそが海外進出の成功のカギになる近道だと思います。今回は、当社の経験談を掲載します。

 

彼がいなければ、中国での成功はなかった

当社がマンション事業を中華人民共和国 江蘇省 蘇州市で建築を開始したのは2013年です。その時の総経理は当社に2005年に入社しました。それまで、上海、浙江省等、土地取引の条件提示はありましたが、条件面で折り合わず土地取得には至りませんでしたが、日本でこの不動産取引や当社の考え方を学んでいた総経理は、目の前の単純な成果よりも、マリモが有利な条件でなければ取引しない考えが浸透していたため、100%マリモ目線で考えてくれました。結局、彼の人脈で探しあてた蘇州市の国営デベロッパーが、JVを組む際にもマリモ51%、現地デべ49%という普通ではあり得ない条件でマリモが主導権を握り、事業を進めることになりました。このプロジェクトは大成功した功績には、この中国人社員が、日本人にはわからない胡散臭い話を振り払い、とにかく当社が成功する様にと土地取得、設計、建築等、中国側との商談をしっかりと運んでくれたことにも起因します。現地人材が如何に成功のカギとなり得るかわかる事例です。


蘇州第一PJ 北極星花園HP https://www.marimo-ai.co.jp/cn/

 

日本式のやり方は通用しない

日本人の多くのビジネスマンが海外に行った場合、日本式の商習慣をもとに行動してしまいます。これは我々日本人が当たり前と思っても、現地では非常識な事も多く、このギャップが上手くいかない要因でもあります。中国で事業を行うにはどうしても許可関係で政府との折衝が必要です。要人を味方につければ、申請関係や許可関係はスムーズに行きますが、この要人との関係性構築を怠れば驚くほどうまくいきません。この関係構築は日本人では非常に難易度が高く、現地人に任せることが成功への近道です。

“しかし、ここでその任せる人物が信頼に値するかどうかです”

こういった関係構築には外部や現地で採用したての人物に任せるのは危険極まりありません。我々も日本で5年間育てた中国人社員に、この関係構築任せました。それは彼の”性格、会社への帰属意識、交渉能力、現地プロジェクトへの熱意”を経営陣が5年間見て、信頼に値すると判断したからです。この事から、現地で事業を行うキーポイントになる人物は日本の経営陣の近くで働いてもらい、経営陣が信頼できると判断できる環境にいることが大事です。

他の不動産会社で、現地の土地取得はJV先の担当者に全て任せ、見た目は良いように見える“とんでもない土地”を掴まされ、売れない不動産を作り大赤字でどうしようもならないプロジェクトの話も聞いた事があります。こうならない為にも人材には期間をかけてスキルも心も育てていかなければなりません。

 

複数名採用で確率を高める

よく将来の現地幹部候補採用で1名しか採用しない企業がありますが、これはとても危険です。その人材が辞めてしまえば、その期間は無駄になり、また0からの採用になります。また、面接だけでは絶対にわからない事があります。

それは“数年後の帰属意識”です。

今、採用した人物が将来、自社の事を心底から考え動いてくれるかは1%の保証もありません。なので、3年かけて育てるのであれば、3人以上は採用しておくのがベストだと思います。求める将来像に対して3倍の確率以上の効果が見込めます。3人も将来の幹部候補としてのライバル心を持ちながら競争意識の中で働くので、成長が早いのも特徴です。

 

当社の中国の総経理が入社した際も、3人採用しましたが、プロジェクトに着手する際は既に他の2人は辞めていました。今の総経理以外の1人を採用していれば、この100億円近いプロジェクトはありませんでした。

 

執筆者: 金口裕也(かなくち ゆうや)

株式会社マリモホールディングス 国際人事部 部長

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